廃棄物処理法第十二条の二第十四項にて、特別管理産業廃棄物を生ずる事業者の帳簿備え付けについて規定されているかと思いますが、委託するかたちで処理を行っている分も記載する必要があるのでしょうか。
廃棄物処理法第十二条の二第十四項※1にて規定されている、特別管理産業廃棄物を生ずる事業者の帳簿備え付け及び保存義務に関して、法施行規則第八条の十八※2にて、その詳細(法定記載事項や保存期間)が規定されております。
14 第七条第十五項及び第十六項の規定は、その事業活動に伴い特別管理産業廃棄物を生ずる事業者について準用する。この場合において、同条第十五項中「一般廃棄物の」とあるのは、「その特別管理産業廃棄物の」と読み替えるものとする。
法第十二条の二第十四項において準用する法第七条第十五項の環境省令で定める事業者の帳簿の記載事項は、次のとおりとする。
一 特別管理産業廃棄物の種類ごとに、次の表の上欄の区分に応じそれぞれ同表の下欄に掲げるとおりとする。
(略)
区分 | 帳簿の記載事項 |
---|---|
運搬 | 1 当該特別管理産業廃棄物を生じた事業場の名称及び所在地 2 運搬年月日 3 運搬方法及び運搬先ごとの運搬量 4 積替え又は保管を行つた場合には、積替え又は保管の場所ごとの搬出量 |
処分 | 1 当該特別管理産業廃棄物の処分を行つた事業場の名称及び所在地 2 処分年月日 3 処分方法ごとの処分量 4 処分(埋立処分を除く。)後の廃棄物の持出先ごとの持出量 |
備考 | 運搬又は処分に係る特別管理産業廃棄物に法第十二条の七第一項の認定に係る産業廃棄物が含まれる場合は、上欄の区分に応じそれぞれ下欄に掲げる事項について、当該特別管理産業廃棄物に係るものを明らかにすること。 |
2 第二条の五第二項の規定は、前項の帳簿について準用する。
3 第二条の五第三項の規定は、法第十二条の二第十四項において準用する法第七条第十六項の規定による事業者の帳簿の保存について準用する。
当該帳簿に関して、従来は運搬又は処分の委託に関する事項も記載する必要がありましたが、帳簿記載事項とマニフェスト制度における記載事項に重複があったことを理由※3に、平成22年の廃棄物処理法及び政省令の改正※4にて帳簿の法定記載事項が変更され、運搬又は処分の委託に関する事項の記載が不要となりました。
第十七 帳簿対象事業者の拡大
(略)
2 帳簿記載事項
帳簿対象事業者が拡大されたことに伴い、新たに帳簿の対象となる事業者について帳簿記載事項を定めたこと。また、これまで、帳簿記載事項と管理票制度における記載事項に重複があったことから、運搬又は処分を委託した場合には当該委託に係る事項は記載を不要としたこと(規則第8条の5)。
(略)
従いまして、特別管理産業廃棄物を生ずる事業者であっても、自社運搬又は自社処分を行わずに全量を委託するかたちで処理を行っている場合は、当該帳簿への記載が不要になったといえます。