紙マニフェストを交付した事業者が、原則毎年6月30日までに管轄自治体に提出する必要があるマニフェスト交付等状況報告書について、作成時のミスなどで、既に提出済みのマニフェスト交付等状況報告書に漏れがあることが発覚した場合、どのような対応を行えばよいのでしょうか?
紙マニフェストを交付した事業者は、前年度1年間の紙マニフェストの交付等の状況を、同年6月30日までに当該事業場の所在地を管轄する自治体に報告する義務を負います(廃掃法第十二条の三第七項※1)が、廃掃法上、自治体に当該規定を遵守していないと認められる場合には、段階的に勧告や公表、命令を受ける可能性があります(法第十二条の六第一項から第三項※2)。
7 管理票交付者は、環境省令で定めるところにより、当該管理票に関する報告書を作成し、これを都道府県知事に提出しなければならない。
第十二条の六 都道府県知事は、第十二条の三第一項に規定する事業者、運搬受託者又は処分受託者(以下この条において「事業者等」という。)が第十二条の三第一項から第十項まで、第十二条の四第二項から第四項まで又は前条第一項から第四項まで、第六項、第七項及び第十一項の規定を遵守していないと認めるときは、これらの者に対し、産業廃棄物の適正な処理に関し必要な措置を講ずべき旨の勧告をすることができる。
2 都道府県知事は、前項に規定する勧告を受けた事業者等がその勧告に従わなかつたときは、その旨を公表することができる。
3 都道府県知事は、第一項に規定する勧告を受けた事業者等が、前項の規定によりその勧告に従わなかつた旨を公表された後において、なお、正当な理由がなくてその勧告に係る措置をとらなかつたときは、当該事業者等に対し、その勧告に係る措置をとるべきことを命ずることができる。
さらに、当該命令にも違反した場合には、1年以下の懲役又は100万円以下の罰金に処される場合もあります(法第二十七条の二第十一号※3)。
第二十七条の二 次の各号のいずれかに該当する者は、一年以下の懲役又は百万円以下の罰金に処する。
(略)
十一 第十二条の六第三項の規定による命令に違反した者
そこで、作成時のミスなどにより、既に提出済みのマニフェスト交付等状況報告書に漏れがあることが発覚した場合の事後対応方法について複数の自治体に照会を取ったところ、多くの自治体からは以下のような見解を頂戴しました。
▼基本的な自治体見解
報告漏れ分のみを提出し直すのではなく、提出済み分に報告漏れ分を含め、一つの書類として完結するようにしてあらためて再提出してほしい。なお、その他の書面の提出等は不要であり、作成方法や提出先は従来通りである。
なお、一部の自治体からは、電話での事前連絡やメモの同封、宛名の工夫などを行い、提出済みものとの二重計上を防ぐために配慮したかたちで再提出いただきたいとのご意見もいただきました。
マニフェスト交付等状況報告書は、毎年提出する必要があるものであり、報告漏れが発生しないように注意いただくことが大前提にはなりますが、万が一報告漏れが発生した場合の参考になりましたら幸いです。
※本回答は、JEMSリサーチセンターが独自に選定した自治体への照会結果を元にしたものであり、全自治体における適切な対応を保証するものでありません。