さんぱいQ&A 2023年8月23日

什器類は産業廃棄物? 事業系一般廃棄物?

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疑問

 作業台や戸棚といった什器類の廃棄物区分が分かりません。素材としては主に木製(一部ガラスや金属あり)なのですが、これは産業廃棄物として処理すべきなのでしょうか?

回答

 廃棄物処理法上、木くずは業種や製品の指定がある廃棄物になりますので、対象の業種以外から排出される木製の家具類は、基本的には事業系一般廃棄物に該当いたします。

 一方、環境省(※1)や中央環境審議会(※2)は次のような見解を述べているものの、「木材が体積比○%以上であれば総体として事業系一般廃棄物」のような定量的な基準を示しているわけではありません。

▼事務所の引越廃棄物の種類(通知より一部抜粋)

家具類(具体例:事務用・応接用の机、椅子、本棚、ロッカー・カーペット等)
1. 材質に応じ、産業廃棄物である金属くず、廃プラスチック類、ガラス・陶磁器くずに該当
2. 金属、廃プラスチック、ガラス、陶磁器と木製又は繊維製若しくは皮製のものの複合製品は、総体として産業廃棄物に該当
3. 上記以外の木製の机、椅子などのものは、一般廃棄物に該当

引用元※1 環境省 環境省 環廃産83号(平成15年02月10日)(2023年1月現在)

▼木製家具・器具類(意見具申案より一部抜粋)

机や書架などの事務用設備及び陳列棚などの商業用設備については、金属部品やプラスチック部品と併せて木製部品が使用されている場合が多く、廃棄物として排出される際に、産業廃棄物である金属くずや廃プラスチック類と一般廃棄物である木製部品とが一体的に排出されており、全体を産業廃棄物として区分することが自然である。

引用元※2 中央環境審議会 資料2-3(平成19年7月27日)(2023年1月現在)



 このことから、木材やガラスなどが混在している什器類の廃棄物区分については、以下の原理原則のもと自治体や委託先業者などと協議し最終的な廃棄物区分を決定ください。

▼原理原則
 対象の業種以外から排出される木くずは一般廃棄物に該当する。
 一方、金属や廃プラスチック、木くずなどのさまざまな素材が使われている場合は、総体として混合の産業廃棄物に該当する。
 ただ、一般廃棄物か総体として産業廃棄物か否かの定量的な基準はない。

この記事の作成者

株式会社JEMS 鮏川

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