処分委託契約書に記載されていない最終処分先へ、今後新たに中間処理後の残さが搬入されることになりました。この場合、覚書の締結や契約書の再締結は必要でしょうか。
■最終処分先は契約書の法定記載事項
排出事業者が産業廃棄物の中間処理を委託する場合、処分委託契約書には、中間処理後の産業廃棄物に係る次の事項を記載する必要があります。
• 最終処分の場所の所在地
• 最終処分の方法
• 最終処分施設の処理能力
これらは、廃棄物処理法に基づく委託契約書の法定記載事項です。排出事業者は、中間処理を委託した後も、その産業廃棄物がどこで、どのように最終処分される予定なのかを契約時に把握しておく必要があります。
■記載のない最終処分先が追加されたら契約を変更する
契約締結後、契約書に記載されていない最終処分先へ中間処理後の残さを搬入することになった場合、実際の処理経路と契約内容に不一致が生じます。
そのまま搬入すると、法定記載事項を欠いた状態で処理を委託したとして、委託基準違反と判断されるおそれがあります。そのため、新たな最終処分先への搬入を開始する前に、次のいずれかの方法で契約内容を変更することが適切です。
• 変更内容を記載した覚書を締結する
• 最終処分先を記載した別紙を差し替える
• 処分委託契約書を再締結する
どの方法を採用する場合も、新しい最終処分先について、所在地、最終処分方法、施設の処理能力が契約書類上で確認できるようにします。
■別紙の差し替えだけでよい?
最終処分先を契約書の別紙一覧で管理している場合、別紙の差し替えによって対応できることもあります。ただし、処理業者から新しい一覧表を受け取るだけでは、契約内容の変更として十分でない可能性があります。
契約書において、別紙が契約の一部として位置付けられているか、また、別紙を変更する際の手続がどのように定められているかを確認しましょう。変更手続が明確でない場合は、排出事業者と処分業者の双方が変更内容に合意したことを示す覚書を締結しておくと確実です。
■変更時に確認するポイント
契約内容を変更する際は、最終処分先に関する記載だけでなく、次の点も確認します。
• 処理業者から最終処分先が追加された理由を確認する
• 新しい最終処分先の所在地、処分方法、処理能力を確認する
• 新しい処理経路が委託先の許可内容や処理能力に適合しているか確認する
• 契約変更日と新しい最終処分先への搬入開始日を確認する
• 変更後の契約書、覚書または別紙を適切に保存する
最終処分先の追加について事後的に書類を整えるのではなく、実際の搬入前に契約変更を完了させることが重要です。
いかがだったでしょうか。処分委託契約書に記載されていない最終処分先が追加された場合は、覚書の締結、別紙の差し替えまたは契約書の再締結により、契約内容を実際の処理経路に合わせて変更しましょう。処理業者から変更の連絡を受けたときは、新たな最終処分先への搬入が始まる前に必要事項を確認し、契約当事者間の合意を契約書類に反映することが大切です。なお、最終処分先の管理については自治体によって見解や運用が異なる場合があるため、必要に応じて管轄自治体にも確認しましょう。