マニフェストの終了報告が法定の確認期限を過ぎてもなされない場合、排出事業者はどのような対応をすればよいのでしょうか。
また、委託契約をしていない処分業者で処分されていた、マニフェストの記載内容と実際の処理ルートが異なっていた、などの不整合が後から判明した場合も、措置内容等報告書の提出が必要になるのでしょうか。
■措置内容等報告書とは
措置内容等報告書とは、マニフェストに関して一定の問題が生じた場合に、排出事業者が処理状況を確認し、必要な措置を講じた内容を行政へ報告するものです。
紙マニフェスト・電子マニフェストのいずれの場合も、排出事業者は、委託した産業廃棄物について、運搬・処分・最終処分が適正に完了したかを確認する必要があります。
たとえば、排出事業者はマニフェストの交付または登録後、排出事業者は、定められた期限内に終了報告が確認できるかを管理する必要があります。
期限内に報告が確認できない場合は、処理業者等へ処理状況を確認し、必要な措置を講じる必要があります。さらに、確認期限を経過した日から30日以内に、管轄の都道府県・政令市等へ措置内容等報告書を提出しなければなりません。
■期限切れ以外でも対象になることがある
措置内容等報告書が必要になるのは、報告期限を過ぎた場合だけではありません。たとえば、マニフェストに虚偽の記載があることが判明した場合や、委託した処理ルートと実際の処理ルートが異なっていた場合も、報告対象となる可能性があります。
例として、排出事業者が契約している収集運搬業者に廃棄物を引き渡した後、契約していない処分業者へ搬入・処分されていたことが判明したケースが考えられます。
この場合、必要な委託契約がないまま処分が行われた可能性があります。また、マニフェスト上の処分先や処理内容と、実際の処理内容が一致していない場合には、マニフェストの記載内容の不整合も問題になります。
大阪府のFAQでも、虚偽記載のあるマニフェストの写しを受け取った場合、排出事業者は、速やかに処理状況を把握し、生活環境保全上の支障の除去または発生防止に必要な措置を講じたうえで、虚偽記載を知った日から30日以内に措置内容等報告書を提出しなければならないとされています。
また、これらの規定に違反した場合、排出事業者は廃棄物処理法第19条の5第1項第3号ヘに基づく措置命令の対象になるとされています。
このような事案では、いきなり書類だけを整えるのではなく、まず事実関係を整理することが重要です。具体的には、実際にどの廃棄物が、いつ、どこへ運搬・処分されたのか、契約書上の処分先と実際の処分先が一致しているか、マニフェストの記載内容と実際の処理内容が一致しているかを確認します。
事実関係を確認した結果、契約外の処分業者で処分されていた、マニフェストの記載内容と実際の処理内容が異なっていた、などの場合は、措置内容等報告書の提出が必要になる可能性があります。
なお、措置命令とは、生活環境上の支障を除去し、またはその発生を防止するために、行政が必要な措置を命じるものです。つまり、措置内容等報告書を提出するかどうかだけでなく、排出事業者として処理状況を把握し、必要な対応を行っているかも重要になります。
■措置内容等報告書に記載する内容
措置内容等報告書を作成する際は、発生した事実、確認した内容、講じた措置、再発防止策を整理して記載します。
具体的には、次のような内容を整理します。
・対象となるマニフェストの情報
・対象となる廃棄物の種類、数量、引渡日
・確認期限を過ぎた報告、または判明した不整合の内容
・処理業者等へ確認した処理状況
・実際に講じた措置
・原因や再発防止策
たとえば、最終処分終了報告が期限内に確認できなかった場合は、処分業者等へ確認した結果、いつ最終処分が完了していたのか、なぜ報告が遅れたのか、報告を受けるためにどのような対応を行ったのかを記載します。
契約外の処分業者で処理されていた、マニフェストの記載内容と実際の処理ルートが異なっていたという場合には、どのような経緯で不整合が発生したのか、関係する処理業者へ何を確認したのか、契約やマニフェストの取扱いについてどのように整理したのかを記載します。
あわせて、同じ事案を発生させないために、処理業者への確認体制、マニフェストの進捗確認、契約内容と処理ルートの照合方法などを見直した場合は、その内容も記載するとよいでしょう。
なお、措置内容等報告書の様式や添付書類、記載の粒度は自治体によって異なる場合があります。提出前に、管轄自治体の案内や様式を確認し、不明点があれば事前に相談することが大切です。
いかがだったでしょうか。措置内容等報告書は、処理終了報告の遅れだけでなく、契約内容、実際の処理ルート、マニフェスト情報に不整合がある場合にも関係する可能性があります。排出事業者責任を果たすためにも、マニフェストを交付・登録して終わりにせず、処理が期限内に完了しているか、契約どおりに処理されているかを継続的に確認しましょう。