排出物が「産廃」か「有価物」かの判断はどうすればよいか。また、有価物だとした場合、買取価格は双方が合意の下であればいくらでも良いのか。
排出された物が「産業廃棄物」に該当するのか、それとも「有価物」として扱えるのか。さらに、有価物だとしてその買取価格はいくらが妥当なのか。このテーマは、実務において判断ミスが起こりやすいポイントです。
なぜなら、廃棄物処理法の条文には、「〇kg以上なら廃棄物」「〇円以上なら有価物」といった分かりやすい数値基準が一切示されていないからです。
つまり排出事業者は、
✓ 物の性質
✓ 排出・保管の状況
✓ 実際の取扱い実態
といった、個別具体的な事情をもとに、ひとつひとつ判断していく必要があります。
■有価物かどうかは総合判断
この点について、環境省は以下の通知で判断の考え方を示しています。
通知では、有価物該当性の判断にあたり、次の5つの要素を総合的に勘案することとされています。
ア:物の性状
イ:排出の状況
ウ:通常の取扱い形態
エ:取引価値の有無
オ:占有者の意思
重要なのは、どれか一つだけを満たせばよいわけではないという点です。
また、これらを踏まえた結果、有価物として認められなければ、その瞬間から当該物は「廃棄物」として扱われるという点です。
そして廃棄物と判断された場合、排出事業者には、「収集運搬・処分委託契約の締結」「マニフェストの交付および管理」といった、廃棄物処理法に基づく義務が生じる点にご注意ください。
■「お金をもらっている=有価物」ではない
特に注意が必要なのが、「エ:取引価値の有無」です。環境省通知では、有価物として認められるためには、単に金銭の授受があるだけでは足りないとされています。
具体的には、
○ 名目を問わず処理料金に相当する金品の受領がないこと
○ 当該譲渡価格が競合する製品や運送費等の諸経費を勘案しても双方にとって営利活動として合理的な額であること
○ 当該有償譲渡の相手方以外の者に対する有償譲渡の実績があること
など
――つまり、
「話がまとまったからこの値段」「付き合いがあるからこの価格」といった当事者間だけの合意では、判断として不十分です。
買取価格は、市場に照らして“経済合理性がある価格”であるかが問われます。
いかがだったでしょうか。これらの点を十分に考慮したうえで、実務における判断・運用を行っていただければと思います。