さんぱいQ&A 2022年6月16日

事業者から出る家電リサイクル製品の処理を一廃業者へ委託できる?

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疑問

 事業者から排出される家電リサイクル法に該当する製品の収集運搬を、小売業者を経由せず、事業者自身が直接処理業者に委託する場合、家電リサイクル法の特例に基づいて、一般廃棄物の許可のみを持つ処理業者へ委託することは可能でしょうか?

回答

 確かに、家電リサイクル法(以下、家リ法)第五十条第一項及び第四項※1において、小売業者の委託を受けて収集運搬を行う収集運搬業者に関する特例が規定されており、小売業者の委託を受けて収集運搬を行う場合は、産業廃棄物収集運搬業又は一般廃棄物収集運搬業のどちらかの許可を有していれば、産業廃棄物又は一般廃棄物のどちらに該当する廃棄物でも収集運搬を行うことが可能であるとしています。

第五十条 産業廃棄物収集運搬業者(小売業者の委託を受けて特定家庭用機器廃棄物(産業廃棄物であるものに限る。以下「特定家庭用機器産業廃棄物」という。)の収集又は運搬を業として行う者に限る。)は、廃棄物処理法第七条第一項の規定にかかわらず、環境省令で定めるところにより、特定家庭用機器廃棄物(一般廃棄物であるものに限る。以下「特定家庭用機器一般廃棄物」という。)の収集又は運搬の業を行うことができる。この場合において、その者は、廃棄物処理法第六条の二第二項に規定する一般廃棄物処理基準に従い、特定家庭用機器一般廃棄物の収集又は運搬を行わなければならない。

4 一般廃棄物収集運搬業者(小売業者の委託を受けて特定家庭用機器一般廃棄物の収集又は運搬を業として行う者に限る。)は、廃棄物処理法第十四条第一項の規定にかかわらず、環境省令で定めるところにより、特定家庭用機器産業廃棄物の収集又は運搬の業を行うことができる。この場合において、その者は、廃棄物処理法第十二条第一項に規定する産業廃棄物処理基準に従い、特定家庭用機器産業廃棄物の収集又は運搬を行わなければならない。

引用元※1 特定家庭用機器再商品化法第五十条第一項・第四項(2022年2月現在)

 しかしながら本件は、事業者が対象製品の収集運搬を処理業者に委託するケースであり、大阪府HP※2においても、事業者が対象製品の収集運搬を処理業者に委託する場合は、廃棄物処理法の基準を遵守する必要があるとの記載がございます。

(3)「許可を受けた産業廃棄物収集運搬業者」に家電メーカーの指定引取場所までの運搬を依頼する方法

 (2)と同様に、郵便局に備え付けの家電リサイクル券に必要事項を記入し、リサイクル料金を振込んだ後、「許可を受けた産業廃棄物収集運搬業者」に運搬を依頼し、処分したい家電を家電リサイクル券と併せて引渡してください。

(略)

 なお、許可を受けた産業廃棄物収集運搬業者に運搬を依頼する場合、家電メーカーの指定引取場所までの運搬及びその委託については、廃棄物処理法の基準を遵守する必要がありますので、ご注意ください。

引用元※2 大阪府 家電リサイクル情報 家電リサイクルの処分方法について 2の(3)(2022年2月現在)

 なお、念のため、家リ法第五十条第四項において規定されている、小売業者の委託を受けて収集運搬を行う場合の業許可の特例について環境省へ照会したところ、以下の見解を頂戴しました。

【環境省見解】
 普段は小売業者の委託を受けて業を行っているが、事業者からの収集運搬委託を受けて業を行うような場合、家リ法第五十条第四項において規定されている特例は適用されない。

 従いまして、小売業者を経由せず、事業者自身が対象製品の収集運搬を処理業者に委託する本件のような場合は、家リ法第五十条第四項の特例対象外であり、廃棄物処理法の委託基準を遵守する必要があるため、事業者から排出される家電リサイクル法対象製品は、「一般廃棄物収集運搬業の許可」ではなく、「産業廃棄物収集運搬業の許可」を有す処理業者へ委託する必要があると考えられます。

この記事の作成者

株式会社JEMS つくば本社
担当: 野口
URL: https://www.j-ems.jp/

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