事務所の医務室に設置していた機器を廃棄することとなりました。どのようなものが感染性廃棄物に該当するか教えてください。
まず、環境省から公開されている廃棄物処理法に基づく感染性廃棄物処理マニュアル※1によれば、そもそも“感染性廃棄物”とは、以下のように定義されております。
▼感染性廃棄物
医療関係機関等から生じ、人が感染し、若しくは感染するおそれのある病原体が含まれ、若しくは付着している廃棄物又はこれらのおそれのある廃棄物をいう。
また、ここでいう“医療機関等”についても、以下のように定義されております。
▼医療関係機関等
病院、診療所(保健所、血液センター等はここに分類される。)、衛生検査所、介護老人保健施設、介護医療院、助産所、動物の診療施設及び試験研究機関(医学、歯学、薬学、獣医学に係るものに限る。)をいう。
つまり、「特定の施設から生じた、特定の性質をもつ廃棄物」が感染性廃棄物となりますが、大阪府※2によると、会社の医務室は、現在のところ医療関係機関等に指定されておらず、法令上は、感染性廃棄物には該当しません。
Q94 学校の保健室や会社の医務室で発生した注射針は感染性廃棄物か?
A94
感染性廃棄物は、政令及び規則で定められた施設(医療関係機関等)※で生じたものに限られていますが、学校の保健室や会社の医務室は、現在のところ医療関係機関等に指定されていませんので、法令上は、感染性廃棄物には該当しません。しかし、注射針については、感染性廃棄物として鋭利物に準じて処理することが必要です。
※医療関係機関等(施行令別表第1の4の項・施行規則第1条第5項に掲げる施設)
病院、診療所、衛生検査所、介護老人保健施設、助産所、動物の診療施設、試験研究機関(医学・歯学・薬学・獣医学に係るものに限る)
なお、特定の施設から生じた廃棄物が、感染性又は非感染性のどちらの性質を持つかの具体的な判断基準は、①形状、②排出場所、③感染症の種類の3つの観点によるものとされておりますが、これらの観点からの判断が難しい場合であっても、医師等(医師、歯科医師及び獣医師)により感染のおそれがあると判断される場合には、感染性廃棄物に該当することとなります。
従いまして、感染性廃棄物の該当性については、基本的には以下のフローにて判断することとなります。
▼感染性廃棄物の該当性判断フロー
Step1.排出事業者の業種・業態は何か(例:医療関係機関等に該当するか?)
Step2.形状はどうか(例:血液等が付着しているものか?)
Step3.排出場所はどこか(例:病院の手術室等で治療に使用された後に排出されたものか?)
Step4.感染症の種類は何か(例:新型コロナウィルス感染症等の治療で使用された後に排出されたものか?)