廃掃法上、「特別管理産業廃棄物を排出する事業場を設置している事業者は、特別管理産業廃棄物処理責任者を置かなければならない。」と規定されていますが、この責任者は排出事業者と同一法人の社員でなければいけないのでしょうか?
従来、特別管理産業廃棄物管理責任者(以下、責任者)は、事業場を設置している事業者と直接的な雇用関係にある者から選任することとされていました。しかし、平成13年度に必置資格等の見直しが行われた際に当該責任者の要件も緩和され、外部の者からも選任することを可能とする旨の見解が以下の通り示されました。※1
▼必置資格の見直し結果
設置者との責任関係を明確にした上で、設置者と直接的な雇用関係にないが正当な資格を有する者からも選任することが可能となるよう検討を行い、その結果に基づき所要の措置を講ずるべきであるとの指摘を踏まえ、廃棄物処理法上、外部委託を禁ずるものではない旨を周知済み。
そこで、責任者の外注可否の基準となる「設置者との責任関係」について環境省に照会したところ、下記の見解を頂戴しました。
▼環境省へのヒアリング結果
責任者となった協力会社の人間が、特別管理産業廃棄物をしっかりと管理できていると自治体に判断されれば問題はない。しかし、その判断の基準は自治体によるため、一概に全て問題はないとは言えない。
なお、参考までに関東地方のある自治体に照会した際には、責任者の外注を認めていないという旨の見解を頂戴いたしましたので、事前に管轄の自治体へご相談の上で運用方法をご検討ください。
▼関東地方自治体へのヒアリング結果
明確な根拠があるわけではないが、東京都としては、排出者責任の観点から、管理責任者は排出事業者の人間のみと決めている。