下請業者が、廃棄物処理法第二十一条の三第三項の規定に基づき元請業者が処分契約を締結する処分場まで直接運搬する場合、紙マニフェストに記載する交付担当者や排出事業者、運搬受託者の扱いはどのようにすればよいのでしょうか?
平成23年の廃棄物処理法の改正に伴い、建設工事に伴い生ずる廃棄物については、原則元請業者が排出事業者としての責任を持つかたちになりました。一方、廃棄物処理法第二十一条の三第三項の要件に該当する場合は、下請業者が許可不要で運搬することを可能とする例外規定も設けられております。
そこで、この例外規定に基づき、下請業者が処分場まで直接運搬する場合の紙マニフェストの具体的な記載内容については、環境省通知※1やQ&A※2、弊社が過去に行った環境省への照会結果を鑑みますと、以下のように記載することになるかと思われます。
▼紙マニフェストにおける事業者の扱い
・交付担当者:元請業者
・排出事業者:元請業者
・運搬受託者:空欄
(4) 法第21条の3第3項に基づき下請負人が産業廃棄物を自ら運搬する場合
この場合においても、下請負人が自ら運搬する産業廃棄物の排出事業者は元請業者であることから、当該産業廃棄物に係る管理票は、元請業者が交付すること。なお、元請業者が下請負人を経由して受託者に管理票を交付することは差し支えないが、下請負人は管理票の写しの送付、保存等の義務は負わないこと。
なお、下請負人が産業廃棄物を自ら運搬する場合において、元請業者が下請負人に運搬の委託をしているわけではないことから、元請業者が自ら運搬する場合と同様、「運搬受託者」及び「運搬の受託」欄に下請負人の氏名等を記入する必要はないこと。ただし、元請業者が下請負人を経由して受託者に管理票を交付した場合には、「交付を担当した者の氏名」欄には、当該交付を担当した下請負人の氏名を記載すること。
Q11.法第21条の3第3項の適用を受けて下請負人が運搬を行う場合、処分の委託に係るマニフェストは下請負人が交付すればよいのですか。
A11.この場合であっても、元請業者がマニフェストを交付する必要があります。
なお、元請業者が紙マニフェストを交付することが原則になりますが、上記環境省通知によれば、「下請負人を経由して受託者に管理票を交付した場合には、「交付を担当した者の氏名」欄には、当該交付を担当した下請負人の氏名を記載すること。」とのことですので、自社の運用に照らして適切な記載を行ってください。