さんぱいQ&A 2023年6月14日

廃棄物扱いとならないケースに具体的な要件はあるの?

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疑問

 水揚げした魚の血を海に捨てたとして、養殖業を営む企業の社長が逮捕されるニュースを見ました。漁業系の廃棄物については、一部廃棄物の例外となるケースがあったかと思いますが、その具体的な要件は何でしょうか?

回答

 廃棄物処理法上、「ごみ、粗大ごみ、燃え殻、汚泥、ふん尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他の汚物又は不要物であつて、固形状又は液状のもの(中略)」と定義されている一方、その該当性は総合判断説に基づいて判断するものとされている「廃棄物」ですが、以下のものについては、具体的に廃棄物処理法の対象となる廃棄物でないという考え方が示されています。※1

環整43号(昭和46年10月16日)

ア.港湾、河川等のしゅんせつに伴って生ずる土砂その他これに類するもの
イ.漁業活動に伴って漁網にかかった水産動植物等であって、当該漁業活動を行なった現場附近において排出したもの
ウ.土砂及びもっぱら土地造成の目的となる土砂に準ずるもの

引用元※1 厚生省 環整43号(昭和46年10月16日)(2023年1月現在)



 つまり、漁業活動に伴って漁網にかかった水産動植物等であって、その場でリリースしたもののみが廃棄物として扱う必要がなくなるのであり、水揚げ後の血抜きなどで発生した血液は当然廃棄物の扱いを受けることになります。

 そして、産業廃棄物の種類として規定されている動植物性残さや動物系固型不要物は、固型と定義されているうえ排出元の業種指定もある産業廃棄物になりますので、本件のような血液に関しては、その性質によって、廃酸や廃アルカリなどの産業廃棄物※2として適正に処理を行うことが妥当といえます。

 なお、家畜の解体等に伴い発生する血液等の液体の不要物は、産業廃棄物たる廃酸又は廃アルカリとして扱うこと。

引用元※2 厚生省 環整45号(昭和46年10月25日)(2023年1月現在)

この記事の作成者

株式会社JEMS つくば本社
担当: 野口
URL: https://www.j-ems.jp/

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