処理業者から「処理困難通知」を受け取った場合、排出事業者としては、どのような対応を取る必要がありますか?
1. 処理困難通知とは
廃棄物処理法では、産業廃棄物収集運搬業者や処分業者が、委託を受けている産業廃棄物の処理を適正に行うことが困難である、または困難となる恐れがある場合、排出事業者へその旨を書面で通知しなければいけないと定められています。
この通知を「処理困難通知」といいます。
通知を出す理由としては、具体的には、
・処理施設で処理ができない状況にある、保管上限を超過した
例:事故や火災による処理施設の稼働停止
行政から改善命令や措置命令を受けて、処理施設の使用停止
・業許可取消の条件(欠格要件)に該当した
・行政罰として、事業停止命令や業許可取消を受けた
といったものが挙げられます。
これらのケースに該当した場合、処理業者は、理由が生じた日から10日以内に、契約先のすべての排出事業者に対し、通知しなければいけません。
2. 通知を受け取った際に排出事業者が行うべき対応
通知を受け取った場合、排出事業者は、2つのポイントで対応しましょう。
A:生活環境保全上の支障の除去又は発生の防止のために必要な措置を講じる
具体的には、
①交付済みのマニフェストの回収状況を確認し、処理が完了しているのか確認します。
②マニフェストが回収されていない場合は、委託した廃棄物の処理状況を確認します。
③処分が未完了の場合は、さらに必要な対応を取る必要があります。
③としては、以下のような対応が考えられます。
・委託契約を解除して、他の処理業者に処分を委託し直す。
・委託した産廃が再委託可能なものである場合は、処理困難通知を発出した処理業者に依頼し、他の産業廃棄物処理業者に再委託基準に則って再委託させる。
そのほかに、処理困難通知を発出した処理業者が処理を適切に行えるようになるまでの間、処理業者に新たな処理委託を行わない、といった対応も必要かと存じます。
B:行政への報告(措置内容報告書の提出)
2つ目のポイントとしては、収集、運搬又は処分を適正に行うことが困難となるか又は困難となるおそれがある旨の通知を受けた場合、通知を受けた日から30日以内に都道府県知事等に様式4号による報告書(措置内容等報告書)を提出することが求められています。
これまでの判断の流れをフローにすると以下のようになります。
3. まとめ
いかがだったでしょうか。排出事業者としては、マニフェストの処分終了確認など、単なる書面上の確認だけではなく、現場の状況をきちんと把握し、必要なアクションを取ることが大事です。いざという時のために、ぜひフローを理解いただければと思います。