4月にプラスチック資源循環促進法が施行され、プラスチックに関する日本国内での意識改革は順調に進んでいるように感じます。ただ、世界では、日本よりも直接的でより厳しい規制を設けている国も少なくなく、現状の規制内容で十分とは言えないのかもしれません。そこで今回は、日本より厳しい規制を設けている欧米諸国の取組をご紹介します。
▼ イギリス
イギリスでは、2022年4月1日より、プラスチック包装税を課す規制が施行されました。プラスチック製包装材の製造業者と輸入業者が本規制の対象となり、再生プラスチックの使用量が30%未満の場合には、1トンあたり200ポンド(2022年7月時点のレートで約32,700円)の税金が課せられます。
この規制内容の詳細や免税対象等については、当社公式HPのコラムでも紹介させていただいておりますので、是非合わせてご覧ください。
▼ フランス
フランスでは、2016年の使い捨てプラスチックのレジ袋規制や2017年の量り売り用などの野菜や果物のプラスチック袋規制を皮切りに、順次使い捨てプラスチック製品が規制されています。
2020年2月に施行された循環経済法では、2040年までにすべての使い捨てプラスチック包装を段階的に廃止することを定めており、2020年からのグラスやカップ、皿などに関する規制から始まり、2021年にはストローやカトラリーなどが、2022年からは小売店での野菜や果物の包装、ファストフードで無償提供されるおもちゃなどが規制されています。
小売店での野菜や果物の包装については、2022年7月現在、ネギ、ズッキーニ、リンゴ、ナシなど、数十種類の野菜や果物に留まりますが、ばら売りした場合に劣化のおそれがあるトマトやモモ、いちごなども今後2026年6月30日までには段階的に禁止される予定です。
▼ カナダ
2022年6月、カナダ政府は、①レジ袋、②カトラリー、③リサイクル困難な外食の持ち帰り用の容器、④リングキャリア(複数の缶飲料を束ねるプラスチック製のバンド)、⑤かき混ぜ棒、⑥ストロー(医療関係での使用等一部例外あり)の6つのカテゴリーに属する使い捨てプラスチックを規制する最終版を発表しました。
スムーズな移行を可能にするために段階的に施行されますが、一部の例外を除いた使い捨てプラスチックの製造及び輸入は2022年12月に、販売は2023年12月をもって禁止されます。また、2025年末までには、6つのカテゴリーに属する使い捨てプラスチックの輸出も禁止される予定です。
今回ご紹介させていただいた国以外にも独自の規制を設けている国は数多くあり、プラスチック規制に関する国際的な機運は年々高まりを見せています。諸外国の取組に目を広げ、日々の事業活動や生活の中で日常的に利用しているプラスチックについてあらためて考えてみましょう。
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