環境法データバンク 2022年5月27日

排出事業者のプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等の促進に関する判断の基準となるべき事項等を定める命令(令和四年内閣府・デジタル庁・復興庁・総務省・法務省・外務省・財務省・文部科学省・厚生労働省・農林水産省・経済産業省・国土交通省・環境省・防衛省令第一号)

公布日:令和四年一月十九日
施行日:令和四年四月一日
(新規制定)

CONTENTS

前文

 プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(令和三年法律第六十号)第四十四条第一項及び第四十六条第二項の規定に基づき、排出事業者のプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等の促進に関する判断の基準となるべき事項等を定める命令を次のように定める。

本文

(プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等の実施の原則)
第一条 排出事業者は、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等に関する技術水準及び経済的な状況を踏まえつつ、その事業活動において使用するプラスチック使用製品の安全性、機能性その他の必要な事情に配慮した上で、その事業活動に伴い生ずるプラスチック使用製品産業廃棄物等について、次に定めるところにより、可能な限り排出の抑制及び再資源化を実施するものとする。ただし、次に定めるところによらないことが環境への負荷の低減にとって有効であると認められるときは、この限りでない。
一 プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出を抑制すること。
二 プラスチック使用製品産業廃棄物等を排出するに当たっては、プラスチック使用製品産業廃棄物等の再資源化等の促進に資するよう適切に分別すること。
三 プラスチック使用製品産業廃棄物等の全部又は一部のうち、再資源化を実施することができるものについては、再資源化を実施すること。
2 排出事業者は、プラスチック使用製品産業廃棄物等の全部又は一部のうち、再資源化を実施することができないものであって、熱回収(使用済プラスチック使用製品等の全部又は一部であって、燃焼の用に供することができるもの又はその可能性のあるものを熱を得ることに利用することができる状態にすることをいう。以下同じ。)を行うことができるものについては、熱回収を行うものとする。
3 排出事業者は、プラスチック使用製品産業廃棄物等の全部又は一部の再資源化等を当該プラスチック使用製品産業廃棄物等の再資源化等を適正に行うことができる者に委託することができるものとする。ただし、熱回収に係る委託については、当該プラスチック使用製品産業廃棄物等の全部又は一部であって、再資源化を実施することができないものに限る。

(プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制)
第二条 排出事業者は、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制を促進するに当たっては、主として次に掲げる措置を講ずるものとする。
一 プラスチック使用製品の製造、加工又は修理の過程において、プラスチック使用製品に係る原材料の使用の合理化を行うこと、プラスチック使用製品産業廃棄物等の端材の発生を抑制すること、プラスチック使用製品産業廃棄物等の端材やプラスチック使用製品の試作品を原材料として使用することその他の事業活動に伴い生ずるプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制を促進すること。
二 流通又は販売の過程において使用するプラスチック製の包装材について、簡素な包装を推進すること、プラスチックに代替する素材を活用することその他の事業活動に伴い生ずるプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制を促進すること。
三 その事業活動において使用するプラスチック使用製品について、なるべく長期間使用すること、過剰な使用を抑制すること、部品又は原材料の種類について工夫されたプラスチック使用製品を使用することその他のプラスチック使用製品の使用の合理化を行うことによりプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制を促進すること。

(プラスチック使用製品産業廃棄物等の再資源化等)
第三条 排出事業者は、プラスチック使用製品産業廃棄物等の再資源化等を行うに当たっては、主として次に掲げる措置を講ずるものとする。
一 リチウムイオン蓄電池を使用する機器その他プラスチック使用製品産業廃棄物等の再資源化等を著しく阻害するおそれのあるものの混入を防止すること。
二 その事業活動に伴い生ずるプラスチック使用製品産業廃棄物等を排出する自らの工場又は事業場の周辺地域においてプラスチック使用製品産業廃棄物等の再資源化を適正に実施することができる者が存在しない場合、プラスチック使用製品産業廃棄物等に人が感染し、又は感染するおそれのある病原体が含まれ、若しくは付着している又はそのおそれがある場合その他のプラスチック使用製品産業廃棄物等の再資源化を実施することができない場合において、熱回収を行うことができるプラスチック使用製品産業廃棄物等については、熱回収を行うこと。
三 自らプラスチック使用製品産業廃棄物等の熱回収を行うに当たっては、可能な限り効率性の高い熱回収を行うこと。
四 プラスチック使用製品産業廃棄物等の熱回収を委託するに当たっては、委託先として可能な限り効率性の高い熱回収を行う者を選定すること。
五 プラスチック使用製品産業廃棄物等の飛散及び流出並びに悪臭の発散その他による生活環境の保全上の支障が生じないよう必要な措置を講ずること。

(多量排出事業者の目標の設定及び情報の公表等)
第四条 多量排出事業者は、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等を行うため、その事業活動に伴い生ずるプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等に関する目標を定め、これを達成するための取組を計画的に行うものとする。
2 多量排出事業者は、毎年度、当該年度の前年度におけるプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出量及び前項の規定により定める目標の達成状況に関する情報をインターネットの利用その他の方法により公表するよう努めるものとする。

(排出事業者の情報の提供)
第五条 排出事業者は、プラスチック使用製品産業廃棄物等の再資源化等を委託するに当たっては、当該再資源化等を受託した者に対し、当該プラスチック使用製品産業廃棄物等について、その排出及び分別の状況、性状及び荷姿に関する事項その他の必要な情報を提供するものとする。
2 排出事業者(多量排出事業者を除く。)は、毎年度、当該年度の前年度におけるプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出量並びに当該プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等の状況に関する情報をインターネットの利用その他の方法により公表するよう努めるものとする。

(加盟者におけるプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等の促進)
第六条 定型的な約款による契約に基づき、特定の商標、商号その他の表示を使用させ、商品の販売又は役務の提供に関する方法を指定し、かつ、継続的に経営に関する指導を行う事業を行う者(次項及び第十条において「本部事業者」という。)は、当該事業に加盟する者(以下この条及び第十条において「加盟者」という。)の事業活動に伴い生ずるプラスチック使用製品産業廃棄物等について、当該加盟者に対し、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等に関し必要な指導を行い、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等を促進するよう努めるものとする。
2 加盟者は、前項の規定により本部事業者が実施するプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等の促進のための措置に協力するよう努めるものとする。

(教育訓練)
第七条 排出事業者は、その従業員に対して、その事業活動に伴い生ずるプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等に関する必要な教育訓練を行うよう努めるものとする。

(排出の抑制及び再資源化等の実施状況の把握及び管理体制の整備)
第八条 排出事業者は、その事業活動に伴い生ずるプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出量、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等の実施量その他のプラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等の状況を適切に把握し、その記録を行うものとする。
2 排出事業者は、前項に規定する記録の作成その他プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等に関する事務を適切に行うため、事業場ごとの責任者の選任その他管理体制の整備を行うものとする。

(関係者との連携)
第九条 排出事業者は、プラスチック使用製品産業廃棄物等の排出の抑制及び再資源化等のための取組を効果的に行うため、国、関係地方公共団体、消費者、関係団体及び関係事業者との連携を図るよう配慮するものとする。その際、排出事業者は、必要に応じて取引先に対し協力を求めるものとする。

(約款の定め)
第十条 プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(第五号及び附則において「法」という。)第四十六条第二項の主務省令で定めるものは、次の各号のいずれかに掲げるものとする。
一 プラスチック使用製品産業廃棄物等の処理に関し、本部事業者が加盟者に対し、指導又は助言をする旨の定め
二 プラスチック使用製品産業廃棄物等の処理に関し、本部事業者及び加盟者が連携して取り組む旨の定め
三 本部事業者と加盟者との間で締結した約款以外の契約書に第一号又は前号の定めが記載され、当該契約書を加盟者が遵守するものとする定め
四 本部事業者が定めた環境方針又は行動規範に第一号又は第二号の定めが記載され、当該環境方針又は行動規範を加盟者が遵守するものとする定め
五 プラスチック使用製品産業廃棄物等の処理に関し、法に基づきプラスチックに係る資源循環の促進等のための措置を講ずる旨が記載された、本部事業者が定めたマニュアルを加盟者が遵守するものとする定め

附則

この命令は、法の施行の日(令和四年四月一日)から施行する。

この記事の作成者

株式会社JEMS つくば本社
担当: 鮏川(すけがわ)
URL: https://www.j-ems.jp/

この記事は役に立ちましたか?

TOP

検索
資源循環ノート