サーキュラーエコノミーと3Rは何がちがうのか 2022年8月3日

サーキュラーエコノミーと3Rは何がちがうのか【コラム】

 サーキュラーエコノミーとは、資源の投入量を抑え、既存資源の有効活用はもとより物質消費自体の廃止を含めた環境負荷の抑制と、事業で生み出す価値を両立させる経済活動を指す言葉で、資源・製品の価値の最大化、資源消費の最小化、廃棄物の発生抑止等を目指す経済モデルのことです。

 サーキュラーエコノミーの概要と、これまでの経済モデルとのちがいは、過去のコラム「サーキュラーエコノミーとは?」をご参照ください。

 また、近年「3R」ではなく5Rや7R等、色々な「R」を目にすることがあります。
 サーキュラーエコノミーは何Rなのでしょうか。

4R、5R、7R、「●R」の事例

3Rとは、日本で長く親しまれてきている、廃棄物の発生抑制、再使用、再資源化を通じて環境負荷を低減させる行動モデルです。
それぞれ英語表記をした際の、頭文字を取って、「3R」(サンアール、又は スリーアール)と呼ばれています。

 Reduce  リデュース  廃棄物の発生抑制、減量
 Reuse  リユース  製品の再使用
 Recycle  リサイクル 廃棄物の再利用、再資源化


近年、これら3つのRにさらに「R」の頭文字から始まる行動・概念を追加して、環境への取り組みをまとめる表現を目にすることが増えてきております。

日本の行政の例をいくつかピックアップすると、4Rを掲げているのは鳥取県、5Rは東京都国立市や江東区、6Rは静岡県や奈良県葛城市、7Rは神奈川県逗子市などが、公式HP上でこれらの方針を掲げています。(2022年7月6日現在)

4R 鳥取県公式webへのリンク

5R 国立市公式webへのリンク
  江東区公式webへのリンク

6R 葛城市公式webへのリンク
  静岡県公式webへのリンク

7R 逗子市公式webへのリンク

画像引用:鳥取県HP
画像引用:国立市HP
画像引用:江東区HP
画像引用:葛城市HP
画像引用:静岡県HP
画像引用:逗子市HP

 これら「●R」は、明確な定義があるわけでも、「5Rならこれ」という共通したものがあるわけではありません。
 各自治体様がそれぞれの状況に応じて、必要だと考える取り組みを「5つのR」などと分かりやすくまとめているものです。

  ※デジタル業界では、このように変動する数値を小文字のエヌ(n)で表すことが多い為、本コラムでは「●R」を「nR」と表現します。

  
 企業等でnRを掲げる際にも、それぞれの目的や状況に応じて、nRを定義しています。

いろいろな「R」

 
 
 nRに含まれる取り組みには多数の種類があり、”リファービッシュ Refurbish” や ”リマニュファクチャリング Remanufacturing” 等これまであまり見慣れていない単語も聞くようになってきました。それぞれ何が違うのか今一つ分かりづらいことも多くあります。nRとしてよく目にするものについて、具体的な行動の差がなるべく分かるようにまとめました。
 

nRに含まれる行動一覧(JEMS作成)

 他にも様々な考え方がありますが、このように頭文字に「R」がつくものを組み合わせて、5R、6R等様々なnRが提唱されています。
 そしてサーキュラーエコノミーの考え方においては、それぞれの主体者の状況と目標に応じてこれらの取り組みを取り入れ、循環型の経済モデルへの移行をすることを目指します。

 従いまして、サーキュラーエコノミーは●Rである、などと一意に決まるというものではありません。




画像引用:ELLEN MACARTUR FOUNDATION

 上図は、サーキュラーエコノミーの概念を表すエレン・マッカーサー財団の「バタフライ・ダイアグラム」です。
 各nRなどの様々な行動は、この円の内側にあればあるほど環境負荷が少なく評価されることとされています。

 例えば、「REUSE」は「RECYCLE」に比べて、より内側に位置されています。

3Rとサーキュラーエコノミーでの「リサイクル」の違い

 廃棄物の業界では、長らく「リサイクル」が推奨され、事業の目標の一つとされることが多くありました。
 例えば、産業廃棄物の排出事業者は、排出する廃棄物の100%リサイクルをKPIとすることもあったかと思います。

 しかし、サーキュラーエコノミー(C/E)では「リサイクル」は目標ではなく、リペアやリユース等ほかの手段が取れない場合の最終手段として、致し方なく実施するものとなります。

 従いまして、3Rにおけるリサイクルは「目指すもの」であり、C/Eにおけるリサイクルは「回避するもの」といった違いがあるものと考えます。

 以上で、サーキュラーエコノミーと3Rの違いについての解説は終了です。

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この記事の作成者

株式会社JEMS
担当: 深山
URL: https://www.j-ems.jp/

上記記事の参考引用サイト

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