コラム 2022年9月6日

現地確認の条例規定状況について【コラム】

 現地確認とは、排出事業者が産業廃棄物の処理を他人に委託する場合に求められる、産業廃棄物の処理状況に関する確認のことです。廃棄物処理法では排出事業者の努力義務として規定されているほか、都道府県や政令市においてもその条例等で独自に規定されている場合もあります。

 今回のトピックでは、全国129(2022年4月時点)の自治体における現地確認の条例規定状況についてご説明します。
 現地確認の概要などの基本的な事項については、下記の記事をご覧ください。
 現地確認とは

 また、本ウェブサイトの「自治体データバンク」では、自治体ごとの現地確認義務の規定状況について整理しています。併せてご覧ください。
 自治体データバンク

約4分の1の自治体が条例等で規定している

 現地確認の具体的な手法等は、廃棄物処理法上では特段規定されていません。しかし、一般的には排出事業者が委託先業者の保管施設や処理施設まで赴いて、委託した産業廃棄物の処理状況を確認することとなっています。一方で、都道府県や政令市でも、その条例等で現地確認について独自に規定している場合があります。都道府県や政令市によっては、実地での確認や年に1回の確認を求めるなど、その具体的な手法まで明記していることもあります。

 昨今のコロナ禍においては、オンラインを通じたリモートからの確認や、第三者による代行確認を認めている自治体も増えつつあります。

 2021年8月、弊社では全国の産業廃棄物管掌自治体である129の自治体(2022年4月時点)における現地確認の条例規定状況をヒアリング調査し、未回答の2自治体を除く127の自治体から回答を受領しました。現地確認について、頻度や実施時期、手法等を具体的に条例等で規定しているかどうかという質問に対しては、全自治体のうち約4分の1の自治体から「規定している」という回答をいただきました。

 たとえば岩手県や福島県では、委託した産業廃棄物の処分状況を、「実地に」確認しなければいけないと明記しています。

第22条 
3 (略)排出事業者等は、その産業廃棄物の処分を委託したときは、当該産業廃棄物の処分の状況を1年に1回以上実地に確認し、その結果を記録しなければならない。

引用元岩手県 循環型地域社会の形成に関する条例 第22条(2022年9月現在)

第6条
5 事業者は、その産業廃棄物の処理を委託する場合には、政令第6条の2又は政令第6条の6に規定する基準のほか次によるものとする。
(略)
(3) 産業廃棄物の処理を委託した後において、その処理が適正に行われるように当該処理業者の処理の状況を実地調査により確認し、その処理が適当でないと認めた場合は、当該処理業者に対し適正な処理を行うように指示すること。

引用元福島県 福島県産業廃棄物処理指導要綱 第6条(2022年9月現在)

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