静脈ゼミナール 2022年11月28日

廃棄物再生事業者の登録制度とは【静脈ゼミナール】

 廃棄物再生事業者の登録制度とは、廃棄物の再生を業として営んでいる者について、その処理施設や申請者の能力が一定の基準を満たしていることを要件とする登録制度のことです。この制度は、優良な事業者の育成と、市町村が行う一般廃棄物の再生への協力体制を整備することを目的として設けられています。

登録制度の概要

 廃棄物再生事業者の登録制度は、廃棄物処理法第二十条の二に規定されているとおり、廃棄物の再生を業として営んでいる者が一定の基準を満たしている場合に、都道府県や政令市の長による登録を受けることができるという制度です。この制度は、優良な再生事業者の育成を図るとともに、市町村が行う一般廃棄物の再生への協力体制を整備することを目的として設けられています。

(廃棄物再生事業者)
第二十条の二 廃棄物の再生を業として営んでいる者は、その事業の用に供する施設及び申請者の能力がその事業を的確に、かつ、継続して行うに足りるものとして環境省令で定める基準に適合するときは、環境省令で定めるところにより、その事業場について、当該事業場の所在地を管轄する都道府県知事の登録を受けることができる。

引用元廃棄物の処理及び清掃に関する法律 第二十条の二第一項(2022年11月現在)



 廃棄物再生事業者として登録を受けるための基準はいくつかありますが、たとえば廃棄物が飛散・流出したりしない保管施設を有していることや、生活環境の保全上支障が生じないように、対象とするそれぞれの廃棄物の再生に適する施設を有していることなどが定められています。

(廃棄物再生事業者の登録基準)
第十六条の二 法第二十条の二第一項の規定による環境省令で定める基準は、次のとおりとする。
一 廃棄物が飛散し、流出し、及び地下に浸透し、並びに悪臭が発散するおそれのない保管施設を有すること。
二 生活環境の保全上支障を生じることのないように必要な措置が講じられた次に掲げる施設を有すること。
 イ 古紙の再生を行う場合にあつては、当該古紙の再生に適する梱包施設
 ロ 金属くずの再生を行う場合にあつては、当該金属くずの再生に適する選別施設及び加工施設
 ハ 空き瓶の再生を行う場合にあつては、当該空き瓶の再生に適する選別施設
 ニ 古繊維の再生を行う場合にあつては、当該古繊維の再生に適する裁断施設
 ホ イからニまでに掲げる廃棄物以外の廃棄物の再生を行う場合にあつては、当該廃棄物の再生に適する施設
三 廃棄物を再生したものの運搬に適するフォークリフトその他の運搬施設を有すること。
四 事業を的確に、かつ、継続して行うに足りる経理的基礎を有すること。
五 その他事業を適正に行うことができる者であること。

引用元廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則 第十六条の二(2022年11月現在)

対象となる廃棄物

 再生の対象となる廃棄物は同法施行規則において規定されている「古紙」、「金属くず」、「空き瓶」および「古繊維」のほか、ペットボトル等その他の廃棄物も対象となる場合があり、それぞれの都道府県や政令市が独自に規定しています。また、一般廃棄物だけでなく、産業廃棄物であっても一定の基準を満たして廃棄物の再生を行っている場合は、この制度の登録を受けることができます。

 ただし、廃棄物の収集運搬のみを業としている場合や、有価物のみを取り扱っている場合などは登録の対象となりません。

業許可が不要になるわけではない

 この制度により再生事業者として登録を受けたとしても、一般廃棄物や産業廃棄物の処理業の許可を受けることが免除されることはありません。一般廃棄物や産業廃棄物の処理を業として行おうとする場合には、それぞれの処理業の許可が、また処理に伴って設置する処理施設が廃棄物処理法に定める規模以上の場合には、処理施設の設置許可が必要となりますのでご留意ください。


 以上、廃棄物再生事業者の登録制度についてご紹介しました。
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この記事の作成者

株式会社JEMS つくば本社
担当: 鮏川(すけがわ)
URL: https://www.j-ems.jp/

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