静脈トピックス 2026年4月30日

PCB特措法等改正案の閣議決定(環境省)

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はじめに

2026年4月10日、環境省は、ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法及び中間貯蔵・環境安全事業株式会社法の一部改正法案が閣議決定されたと公表しました。

概要

■法案提出の背景
 PCB廃棄物については、PCB特措法に基づき、処分期限を設けた計画的な処理が進められてきました。高濃度PCB廃棄物は中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)での処理事業が2026年3月に終了した一方、今後も新たに高濃度PCB廃棄物が見つかる可能性があります。また、低濃度PCB廃棄物は2027年3月までの処分が義務付けられていますが、低濃度PCB使用製品には引き続き使用中のものもあり、将来廃棄物となる際の対応が課題となっていました。

■低濃度PCB使用製品への対応強化
 法案では、低濃度PCB使用製品の所有者に対し、都道府県知事への届出義務と管理基準の遵守を課すこととしています。あわせて、当該製品の使用を終了した者や、保管している廃棄物が低濃度PCB廃棄物と判明した者にも届出義務を課し、一定期間内の処分を義務付ける内容です。これにより、使用中の段階から行政が実態を把握し、適正処理につなげる仕組みが強化されます。

■高濃度PCB廃棄物の処理終了後を見据えた対応
 高濃度PCB廃棄物については、JESCOにおける処理事業が2026年3月に終了した一方、今後も散発的に発見される可能性があります。今回の法案では、保管する廃棄物が高濃度PCB廃棄物と判明した者に対し、一定期間内の処分を義務付けることとしています。あわせて、今後は処理能力を有する民間処理施設で安全に処分していく方向が示されており、JESCO事業終了後の対応体制を制度面から整える見直しといえます。

■制度運用の見直し
 都道府県等に義務付けられてきたPCB廃棄物処理計画の策定義務等は廃止され、JESCOの事業範囲も見直されることとされています。これまでの大規模な計画処理を前提とした制度から、今後は散発的な発見案件への対応や、使用中製品の管理を重視する制度へと軸足が移ることを示す見直しといえます。PCB対策は、期限内処理を推進する段階から、処理後も継続して適正管理を図る段階へ移行しつつあると整理できます。

■今後のスケジュール
 環境省によると、本法律案は第221回国会に提出予定で、施行期日は一部を除き2027年4月1日とされています。今後は、国会審議の動向に加え、届出対象や管理基準、処分期限の具体的な運用がどのように定められるかが実務上の注目点になりそうです。

この記事の作成者

株式会社JEMS 川中

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