全国129自治体で2022年に行われた(特別管理)産業廃棄物処理業に係る行政処分状況を弊社が独自に調査したところ、全266件(許可取消及び事業停止)という結果でした。2022年の平日日数は245日になりますので、「毎日発生している」といっても過言ではありません。
そこで今回のコラムでは、弊社が調査した全266件分のデータから、地方別の分布と発生割合を見ていこうと思います。
まず、地方別の行政処分(許可取消及び事業停止)件数分布は図1の通りとなりました。最も多く行われた関東地方で92件、北海道を除いて最も少なかった東北地方で13件と、地方ごとに大きな偏りがあることが見て取れます。
もっとも、母数となる許可件数も図2に示す通り地方ごとに大きな隔たりがありますので、「件数が多い=行政処分されやすい」と一概に言えるわけではありません。
そこで、図3の通り許可件数に対する行政処分件数の割合を算出したところ、四国地方で0.18%、東北地方で0.07%と若干の開きは見られましたが、おおむね0.1%という結果になりました。行政処分情報を公表していない自治体も一部あるため正確な数値というわけにはいきませんが、規模感はつかめるかと思います。
この0.1%という数値。皆様はどういった印象をお持ちになったでしょうか?一見とても小さい数値に感じるかと思います。一方、他の許可制度についても各種統計情報等から独自に算出を行ったところ、当然年によってばらつきはありますが、建設業法に基づいた建設業許可における許可取消・営業停止の割合は約0.05%、食品衛生法に基づいた食品関係営業施設の営業許可取消・営業禁止・営業停止の割合は約0.03%という結果になりました。
0.1%という数値だけを見ると、廃棄物処理法に基づいた行政処分はほとんど縁がないもののように感じますが、他の許可制度と比較するとその数倍行政処分が起こっていることが分かります。委託先の処理業者が行政処分を受けた場合にもスムーズに運用が回るよう、他人事とは考えずに今一度対応ルールを確認してみるのもいいかもしれません。