静脈ゼミナール 安定型産業廃棄物とは 2022年6月27日

安定型産業廃棄物とは【静脈ゼミナール】

 安定型産業廃棄物とは、有機物や有害物質が付着せず、雨水等にさらされてもほとんど性状が変化しない産業廃棄物のことで、安定型5品目とも呼ばれることがある、廃プラスチック類、ゴムくず、金属くず、ガラスくず等、がれき類の5品目のことです。

安定型5品目とは

安定型産業廃棄物は、主に次の5品目を指すため、「安定型5品目」とも呼ばれることもあります。
実際には後述する6番目の品目もありますが、安定型品目・安定型5品目はいずれも同じものを指す言葉となります。

なお、業界ではこれら品目を省略して呼称する事があります。

 廃プラスチック類        ・・・ 廃プラ、プラ
 ゴムくず            ・・・ ゴム
 金属くず             ・・・ 金くず(きんくず)
 ガラス・コンクリート 陶磁器くず ・・・ ガラ陶(がらとう)、ガラコン
 がれき類            ・・・ がら、コンがら

法令上の定義

安定型品目は、廃棄物処理法施行令の最終処分に係る基準にて定義され、上記5品目に加えて6番目の廃棄物として
環境大臣が指定する産業廃棄物とされています。

イ 次に掲げる産業廃棄物(特別管理産業廃棄物であるものを除く。以下「安定型産業廃棄物」という。)以外の産業廃棄物(特別管理産業廃棄物であるものを除く。)の埋立処分は、地中にある空間を利用する処分の方法により行つてはならないこと。
(1) 廃プラスチック類(自動車等破砕物(自動車(原動機付自転車を含む。)若しくは電気機械器具又はこれらのものの一部(環境大臣が指定するものを除く。)の破砕に伴つて生じたものをいう。以下同じ。)、廃プリント配線板(鉛を含むはんだが使用されているものに限る。以下同じ。)、廃容器包装(固形状又は液状の物の容器又は包装であつて不要物であるもの(別表第五の下欄に掲げる物質又は有機性の物質が混入し、又は付着しないように分別して排出され、かつ、保管、収集、運搬又は処分の際にこれらの物質が混入し、又は付着したことがないものを除く。)をいう。以下同じ。)及び水銀使用製品産業廃棄物であるものを除く。)
(2) 第二条第五号に掲げる廃棄物(事業活動に伴つて生じたものに限る。以下「ゴムくず」という。)
(3) 第二条第六号に掲げる廃棄物で事業活動に伴つて生じたもの(自動車等破砕物、廃プリント配線板、鉛蓄電池の電極であつて不要物であるもの、鉛製の管又は板であつて不要物であるもの、廃容器包装及び水銀使用製品産業廃棄物であるものを除く。)
(4) 第二条第七号に掲げる廃棄物で事業活動に伴つて生じたもの(自動車等破砕物、廃ブラウン管(側面部に限る。)、廃石膏こうボード、廃容器包装及び水銀使用製品産業廃棄物であるものを除く。)
(5) 第二条第九号に掲げる廃棄物(事業活動に伴つて生じたものに限る。第七条第八号の二において「がれき類」という。)
(6) (1)から(5)までに掲げるもののほか、これらの産業廃棄物に準ずるものとして環境大臣が指定する産業廃棄物

引用元廃棄物処理法施行令 第六条 第一項 第三号 イ

安定型、管理型、遮断型

 安定型産業廃棄物と並ぶ用語として、管理型と遮断型という言葉があります。
 これはいずれも廃棄物の埋立(最終処分)をする際の、埋立処分場の区分に由来します。

 一般に産業廃棄物は、焼却や破砕、無害化などの「中間処理」を経て「最終処分」されます。


 廃棄物の最終処分場はその埋め立てられる廃棄物の性状等によって、以下の3つのタイプに分かれます。

東京都環境局公式サイト記載情報を基に加工・作成。

 参考:東京都環境局公式サイト

 廃棄物が、これらの最終処分のされ方によって、「安定型品目」「管理型品目」などと呼称されることがあり、都道府県等から発出される許可証上でも表現される場合があります。


業許可証上での「安定型」等の記載例

 実務上の注意点としては、許可証や委託契約書、マニフェスト等に「安定型品目」「安定型混合廃棄物」等の表現があった場合、安定型5品目以外が混入されないよう確認頂く必要があります。
 
 例えば、契約書上の委託品目が「安定型混合廃棄物」となっている場合に、紙くずを含む混合廃棄物が排出される場合、契約外の品目となります。



 「安定型産業廃棄物」についての解説は以上となります。

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この記事の作成者

株式会社JEMS
担当: 深山
URL: https://www.j-ems.jp/

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