静脈トピックス 2026年6月25日

令和8年版環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書の公表(環境省)

CONTENTS

はじめに

 2026年6月5日、環境省は、令和8年版「環境白書・循環型社会白書・生物多様性白書」を公表しました。

概要

■今回の白書の特徴
 本白書は、環境基本法、循環型社会形成推進基本法、生物多様性基本法に基づく3つの白書を1冊に合冊したものです。令和7年度における環境、循環型社会、生物多様性の状況と、令和8年度に国が講じようとする施策を取りまとめています。
 令和8年版では、「循環経済(サーキュラーエコノミー)で日本列島を強く豊かに」をテーマに、循環経済が白書全体の中心テーマとして前面に打ち出されています。

■循環経済をめぐる背景
 白書では、世界的な資源獲得競争が高まる中、天然資源への依存を低減し、国内で発生する廃棄物や使用済製品を再生資源として活用することの重要性が示されています。特に、重要鉱物や金属資源などについては、天然資源だけでなく再生資源にも着目することが、経済安全保障の確保に向けて重要であるとされています。
 また、再生材を質・量・コストの面で安定的に供給するとともに、再生材需要の創出・拡大を起点とした市場形成を図ることも示されています。

■資源循環分野の主な内容
 資源循環分野では、再生資源供給サプライチェーンの強靱化が主な内容として取り上げられています。2026年4月に決定された「循環経済行動計画」に沿い、再生資源供給サプライチェーンの強靱化、日本をハブとする国際資源循環ネットワークの構築、地域循環資源の活用、資源循環分野の国際ルール形成などに取り組むことが示されています。
 また、資源循環産業について、使用済製品等の収集、分別、選別、前処理、高品質化などを通じて、製造業向けの再生材供給を担う存在として位置付けています。

■関連する制度・施策
 資源循環に関係する制度として、「資源循環の促進のための再資源化事業等の高度化に関する法律」が取り上げられています。
 また、太陽電池廃棄物の再資源化等の推進に関する法律案では、太陽光パネルの大量廃棄に備え、多量の事業用太陽電池の廃棄をしようとする者に対し、国が定める判断基準に基づくリサイクルの実施に向けた取組を義務付けることなどが示されています。
 廃棄物処理法等の改正案では、環境対策が不十分なスクラップヤードへの対応として、スクラップヤード事業について許可制を導入することが示されています。

■まとめ
 令和8年版白書では、循環経済が、廃棄物・リサイクル対策にとどまらず、再生資源の確保、経済安全保障、産業競争力の強化にも関係する政策として整理されています。
 今回の白書は、資源循環を「廃棄物を処理する取組」だけでなく、「再生資源を確保し、国内で循環させる取組」として位置付けている点が特徴です。

この記事の作成者

株式会社JEMS 川中

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